課題から始めよ

全ての企業において本当の問題はあるべき姿と現状の差異である。

社長、経営はぜんぶ逆算でやりましょう

こちらも岩永先生の「社長、経営はぜんぶ逆算でやりましょう」の中の言葉ですが、この差異を埋めるための方法が「課題から始めよ」です。
特にこの「課題から始めよ」こそ一番見落とされやすい部分であり、成功するか否かを担ってる大変重要なポイントとなりますので、是非読んでいただきたいと思います。

例えば『お客様皆を笑顔にする食品を作ること』を理念としたお菓子屋さんが2店舗あるとします。

一方のお菓子屋さんではとりあえず美味しいお菓子を作れば笑顔になってくれるだろうと考え、高級砂糖を使った美味しいけれど高カロリーなお菓子を作りました。

もう一方のお菓子屋さんでは顧客からのヒアリングの結果、最近は低価格でヘルシーなお菓子が食べたいという欲求があることに気づきました。その結果ヘルシーでしかもあまり高くない米粉を使った安くてヘルシーなお菓子を作りました。

どちらが売れるかは、恐らく言うまでもないのではないでしょうか?これは非常に簡単な例ではありますが、これがより複雑な状況になっても同じことが言えます。

このように顧客や自社の課題やニーズを見つけ、そこからビジネス的なアプローチをすることは非常に重要だといえます。反対にもう一方のとりあえずいいものを作ろうという考え方は一見正解のように見えて大きな落とし穴があることも多々あります。全てがそうだとは言えませんがまず顧客や自社の課題を発見してからその後そのを高めていくという戦略には二つのいい点があるのです。

1つは、“圧倒的に戦略的である”からです。高価な材料を取り入れ高カロリーではあるものの美味しいお菓子を新たに作る…、一見良さそうな発想だと思われがちかもしれませんが、この商品は“何のために”作られた新商品なのでしょうか?決してお客様をおざなりにしてはいなさそうですが、「とりあえず美味しいお菓子を作ればお客様を笑顔にできるだろう」といった発想が起点で、果たして真の笑顔が得られる結果となるのでしょうか?手段に囚われてしまうと、今すぐに出来ることでしか解決が浮かびません。概ね“思い付き”に近い意味合いと捉えかねない安易さ、と言っても良いのではないでしょうか。

もう1つは、“根源的な理由”からです。確固とした理念があればそもそもこの過程で間違うはずがない、ということです。この例では、「お客様を笑顔にすること」がこの会社の理念でした。では“そのために”は何をまずすべきか。顧客が何を欲しているのかを調べなければいけません。目的を明確・鮮明にすることで、そのためには何をしなければならないのか、と言った次の発想へ展開することが可能となります。つまり、これは“思い付き”ではなく、成すべき正しい努力の方向性が定まっている、詰まるところこの正しい努力こそが創造的な仕事であると捉えられるのではないでしょうか?これが分かっていれば目的と手段を間違えることはありません。そのものは手段であり、目的ではないのです。

そしてこの意思決定を支えるのが「データ」です。
今解くべき課題は何であるかは顧客(市場)から得られるもののみならず、自社の内側にも存在します。例えば資金繰りが厳しく借入依存度が高いと言った問題があったとします。データ(財務情報)から分析してみた結果、自社の弱みは在庫を多く溜めすぎていることであり、自社の解くべき課題はこの危険水準をいちはやく脱するための有効的な手段を考え抜くことである、といった具合に課題を絞り込んでいくことで採るべき戦略を描くことができます。

こうやって今解くべき課題は一体何であるかを外部、内部共に探り起こし、特に内部に存在する課題を数字で具体的に特定していくことで課題の質を高めていくことこそが、MAS会計が得意とする仕事であります。まさに「社長、経営はぜんぶ逆算でやりましょう」に通じる、逆算経営の実践支援の姿がここにあるのだと思います。

このように在りたい未来と理念が定まってから次に行うステップは“課題の質”を高めること。そしてそれにはデータを用いることで、より具体的かつ迅速に高められ、戦略への落とし込みが可能となります。これは我々現代人にとって必ず必要なステップであり、ないがしろにしていてはもったいないということをMAS会計は教えてくれます。

以上この3つのステップがMAS会計の真髄です。次はその内容を1つにまとめたMAS会計総集編をお話しします。

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